着実に標高を下げて行きますがまだ安心は出来ません。

薄暗い針葉樹林ですが遥か前方の木々が明るく陽に照らされているのが見えます。
もしかしたら・・・、と希望が湧きます。



ダメ元でK野さんが下の方まで見に行ってくることになりました。
しばらくして遠くからK野さんが呼んでいる声が聞こえました。声がこころなしか弾んでいるようです。・・・と・いう・こ・と・は・・・、

「ありました〜!」

護岸の石垣に階段があって反対側の岸に登ると道があってすぐ先で林道に出るとの事。



「助かったーーー〜あ!」

安心したところで疲れがドッと出ました。

しばらく休憩し「良かったね〜」とあらためて感慨にふけるのでした。

「もし、さっきの所でビバークしていたら翌朝大笑いですね〜」と菅野さん。



では出っ発〜つ!
そう言えば・・・、久しぶりに自転車に乗ります。
乗車率がどうのという問題じゃなく「無事帰れるかどうか」だったから・・・。



穏やかな薄暮の風景がとても優しく感じられます。



林道を走り出してから1時間15分程度で下田駅に到着。

意外なことに、まだ17時30分頃なのに人影がありません。



電車の席に着くと早速恒例の儀式を・・・。

本当に、お疲れ様でした。
K野さんいつもの笑顔がありませんが・・・。




 伊豆山稜線歩道を走っている時、予想より乗車率が低いような気がしていましたが、レポートを書いていて改めて写真を見ると結構乗れる所が多かったんじゃないかと思えます。路面が乾いていればもっと乗車率が上がったかも。一日中曇天だった事や色彩に乏しいこの季節だった事でこのルートの風景の素晴らしさが味わえなかったかも知れません。新緑や紅葉の季節にもう一度来て見たいと思いました。

2日目の探検については計画の段階からある程度予想していた事でしたが、道が完全に消失している事までは思いが及びませんでした。今にして思えば、普段の山サイではハイキングコースとして山と高原地図にコースタイム入で記載されているような所を走って山を走ったつもりでいたわけです。道は整備され要所々々に道標で案内があり余程のことが無ければ迷うことはありません。本来山に立ち入るなら周囲の山や谷の地形を常に地形図と見比べて現在地を確認しながら走る(あるいは歩く)べきなのでしょう。
そういう山歩きをしてきた方から見れば今回我々が彷徨った山など「そんな所でどうして迷うの?」というレベルだと思いますが、我々にとっては大冒険でしたし、大変良い勉強になったと思います。
これに懲りずに、いや、むしろこの経験を生かしてまた山に出かけて行きたいと思っております。 ( J.Takeuchi )